頑張ろうぜ。

小学校の頃、みんながフミヤが好きと言えば、あえてくろべえが好きって言う、人とは同じが嫌な子供でした。あ、チェッカーズの話です。歳がバレますね。

人と同じことを好きと思ったり、流行りのものに飛びつくことが「かっこ悪い」と思う節があり。あえてそういうことに背を向けて生きてきたよう気がします。20歳くらいまでは。

かといって、人とは違う視点を持ち合わせているわけでもなく、アーティストやミュージシャンのように、自分が表現したい確固たるものものもない。そのくせ、「みんなと同じ」とか「普通」ってかっこ悪いと斜に構えているのだから困ったもんです。

そんなんですから応援ソングというものも嫌いです。というか、歌よりも「音」を聴くことが私にとっての「音楽」だったので、「頑張れ、頑張れ」を連呼する歌にそもそも興味がなかったのかもしれません。

マイケルを好きになったのも、歌詞ではなく、グルーブです。パフォーマンスも含め、唯一無二のエンターティナーだと敬愛しています。今も、これからも。

そんな私の、誰にも触れられたくない心の奥をぎゅーっとつかんだのが、エレファントカシマシのでした。彼らと出会った20代の頃、しゃくりあげて泣いたことを覚えています。感動したとか元気をもらったとかじゃなくて、心をえぐられる衝撃。苦しくて息さえもできなくなりそうな、そんな衝撃。

なんじゃこの音、なんじゃこの歌詞、なんじゃこの声。

大した中身もないのに、虚勢を張ってカッコつけている自分が急に恥ずかしくなって、ちゃんと生きようと思いました。大げさじゃなくて、本当に。

以来、ずっと共にいるエレファントカシマシ。なんでこの人たちはいまいち売れないんだろう。ああ、別に大衆に受けなくてもいいと思ってんだな、孤高のロック的な?と思っていました。それでいいとすら思っていました。ところが、バンドのアイコンである宮本浩次は「売れたい。売れたい」と、ストレートにインタビューで語っています。

売れなくちゃ自分たちの音楽が届かない。表現者である以上、世に出なくちゃ意味がない。
ああ、なんてまっすぐなんだろう。眩しくて正視できませんでした。

「今宵の月のように」で一気にメジャーになってもブレない世界観。不器用で無骨で、人間的弱さを隠さず隠す。上手に言えませんが、弱いところを隠す弱さも含めて自分ってものがあるんだってことをストレートに訴えかけてくる。もうやめて。。。とすら思ってしまうほどの直球なのに、またやっぱり聴いてしまう。

もしかすると、わたしはエレファントカシマシというバンドに、自分が叶えることができなかった何かを投影していたのかもしれないなぁ。

応援ソングが嫌いな私ですので、エレファントカシマシの代表曲のひとつ「俺たちの明日」は苦手でした。「さあ、頑張ろうぜ」と言われても、何をどう頑張って良いのかわからなかったから。個人的にも、道を模索しており、結婚、出産とキャパオーバーだったんだと思います。

レーベルをユニバーサルに移籍してからのエレファントカシマシは、「俺たちの明日」のような楽曲が多く、正直、エレファントカシマシをほとんど聴かない時期もありました。
ところが、いつの頃からか、「さぁ、頑張ろうぜ」が背中を押す魔法の言葉のようになっているではありませんか!

当時40歳だったエレファントカシマシが歌う応援ソングは、10年、20年経った時にきっと心に響く。私はあんなに苦手だったはずの「俺たちの明日」を40代の今、繰り返し聴いています。

そうは言いながら、名盤「悪魔のささやき」とかシングル「RAINBOW」では、しっかりエレファントカシマシの真骨頂を聴かせてくれるあたりは、本当にもう。。。宮本浩次は天才!!!

ああ、なんだかこんなにエレファントカシマシ愛を語るのは今までなかったのですが。30周年だからでしょうかね。いろんなところで彼らの音楽や情報を目にすることがあるので、書きたくなっちゃいました。

何はともあれ。
頑張ろうぜ。あたし。

旅の記憶。

年齢を重ねることで得た少しの自由。大人女性よ、 今こそ旅に出よう。 世界にひとりで向き合うことは決して孤独なんかじゃない。 「旅の記憶」は個人旅行の手配やノウハウを綴る、女性による女性のためのひとり旅応援サイトです。