パリのひとくちの力。

食べ物に関しては異様なほどの執着心を持つリョーコです。
パリくんだりまできてまずいものは食べたくない。基本、自炊だったパリ旅行ですが、ランチは外食と決め、あれこれおいしいものをいただきましたよ。おいしいお店は地元の人に訊け!これは食いしん坊旅のセオリー。毎朝バゲットを買ったパン屋さんや、偶然入ったカッフェーの店員さんにリサーチ。

ところが、地元の人が行くようなこじんまりとしたお店にはメニューらしきものはないことも多く、小洒落た黒板メニューがほとんど。。。


読めない。。。まったく読めない。。。

そんな時の必殺技が、

「ねぇねぇ、あの男性(女性)が食べてる料理ってなぁに?」を意味する

Quel est le plat de la monsieur(dame)?
ケレ ル プラ ドゥ ラ ムッシュー(ダム)?

この言葉に何度救われたことか。
ランチタイムは日本でいうところの「定食」や「ランチセット」を提供しているお店がほとんどなので値段もお手頃。おいしそうなものを食べているムシューかマダムをロックオンしたなら、「同じのをお願いします」という意味の、

Je prends la même chose.
ジュ プロン ラ メム ショーズ

これで完璧。あとは涼しい顔をして待ちます。
ん?フランス語話せるかって?いいえ(きっぱり)。
あいさつ程度しか話せませんのよ、しるぶぷれ。使いそうなフランス語をポケットサイズのメモ帳に書き、発音がおかしくて通じないときは店員さんに見せるというアナログ的な手法で乗り切っておりますの、しるぶぷれ。


さてさて。そんな手法で出会ったパリのおいしいものたちをご紹介しましょう。


Le Petit Vendome(ル プチ ヴァンドーム)


パリのビストロ手帖」に載っていた「Le Petit Vendome(ル プチ ヴァンドーム)」。こちらのカスクルート (フランス風のサンドイッチ)は絶対食べたかった一品。ビストロであるこちらのお店。ランチタイムにはその場で作ってくれるカスクルートを求めて行列ができています。なんと、ケイトモスやトムクルーズがパリを訪れたら必ず立ち寄るほどの名店なんだそうな!

バゲットは超人気ブランジュリー「ジュリアン」のもの。外はパリッ、中はモチモチのバゲットがたまりません。。。わたしがオーダーしたのは生ハム、シェーブルチーズをサンドし、仕上げにたんまりとにオリーブオイルがかけられた「スペシャル」(€7くらいだったかな)。これをパリ最古の庭園「チュイルリー庭園」で食べるのです。ああっ!幸せ。あたし今、めっさ幸せ〜〜!


お店のマダムのテキパキとした接客も気持ちよかったな。尚、カスクルート はバゲットがなくなり次第終了です。

Le Petit Vendôme 
住所:8 Rue des Capucines Paris 
営業時間:8時〜翌2時(月曜は17時まで)
定休日:日曜


Glou(グル)

パリの代官山(ほんとかよ)マレ地区。この日は元フードエディターがオーナーという「Glou(グル)」を訪ねました。連日の猛暑で食欲はいまいち。でもスタミナはつけたい!と言うことで、おしゃれなユッケ「タルタルステーキ」をいただきましてよ。

ミンチした生の牛肉を、ケチャップ、マスタードなどを混ぜていただきます。

あらら?お肉ってこんなに甘いのね!と言う発見。これがキンキンに冷えたシャンパンと合う合う。ヨーロッパではよく食べられるタルタルステーキは定番メニュー。カッフェーでもいただくことができるので、食べ比べても楽しそう。

おしゃれな店内はインテリアにもこだわりが。カウンター席があるのでおひとりさまでも気兼ねなく食事が楽しめます。英語のメニューあり。
また、パリ市内では珍しく、日曜日も営業しているのもポイント。カフェとしても利用できます。

Glou
住所:101 Rue Vieille du Temple, 75003 Paris, 
営業時間:10時〜翌2時
定休日:なし

Café des Deux Moulin(カフェ デ ドゥ ムーラン)

軽い登山だったモンマルトル散策(詳しくはこちら)。その時に立ち寄ったのが「Café des Deux Moulin(カフェ デ ドゥ ムーラン)」です。映画「アメリ」の舞台。劇中、アメリが働いていたあのカフェは実在しているんですねぇ。


すっかり観光地化されており、店内は観光客ばっかり。おいしいお店が地元の人に訊け!には反しますが、話のネタにと立ち寄って見ました。
正直、味には全く期待しておりませんで。とりあえずスープとメインをオーダー。すると、やたらとデザートのクリームブリュレを薦めてくるではありませんか。
そうよね、あたし日本人だものね。みんなアメリの真似っこしたくてオーダーするのよね。。。

わかったわよムッシュー。食べるわよ。

全く期待していないかったなんて言ってごめんなさい。メインのポークソテー。あら奥さん。おいしいわよ。お肉はジューシー、ソースも抜群。付け合わせのマッシュポテトもクリーミー。観光地でこのクオリティ。おいしい〜!

そんでもってクリームブリュレ。で、でかい。。。とりあえずアメリを気取ってカチカチとスプーンでカラメルを割ってみる。これってあれだ、シナモンロールを真ん中の渦巻きから食べるあたしのこだわりとおんなじってことなんだ!
なめらかで、香ばしく、とても繊細なクリームブリュレ。ただし、でかい。。。
映画「アメリ」のファンはもちろん、食事としても十分に楽しめるカフェでした。


Café des Deux Moulin
 住所:15 Rue Lepic, 7501 Paris
営業時間:7:30~翌1:00 
定休日: なし

BIOマルシェのガレット

パリでは毎日必ずどこかで開催されているマルシェ。なかでも毎週日曜に開催されるラスパイユのBIOマルシェは、野菜もお肉もコスメも全部オーガニックというこだわり(詳しくはこちら)。有名シェフも仕入れに来るんですって。マルシェでは屋台もいくつか出ており(もちろんオーガニック)、ブランチも兼ねて買い物をする地元の人で大にぎわい!こりゃ食いしん坊の血が騒ぐってもんです。

香ばしい香りに誘われてやってきたのは、ガレットの屋台。

「じゃがいもと玉葱とチーズのガレット(Galette d’Oignon Pomme de Terre)」。陽気なムッシューが常連客とおしゃべりをしながら次々と焼き上げてくれます。
ほくほくとしたガレットはシンプルな素材の味が生きており、何枚でも食べられそう!これを片手にマルシェをそぞろ歩き。楽しくて美味しい、至福のひと時でした。

 Marché biologique de Raspail 
住所:rue de Rennesとrue du Cherche Midiの間 
営業時間:毎週日曜日9:00~14:00


Berthillon ベルティヨン


お借りしたアパルトマンがあるサン・ルイ島。パリでも高級住宅地にあたるこのエリアは観光客で賑わうお隣のシテ島とは異なり、とても静かです。

そんな閑静な住宅街でひときわ賑わいを見せているのが「Berthillon ベルティヨン」。これと言った観光スポットがないサン・ルイ島。来る人のほとんどがベルティヨン目当てと言っても過言ではないかも。

こちらは1954年から続く自家製アイスクリームの老舗。フレーバーの種類も豊富でシングル、ダブル、トリプル、クアドラプ…と一度に何種類も選ぶことができます。フルーツ系シャーベットと濃厚なミルク系アイスクリームと組み合わせている人が多かったので真似っこ。コーヒーミルクとライム。。。だったかなぁ?36度の真夏日だったこの日。ひとくちの力で一気にクールダウン!美味しかったなぁ。また食べたいなぁ。

パリ最終日のやっつけラタトィユ

最後にご紹介するのは、パリ最後の夜に作った「やっつけラタトィユ」です。アパルトマンのキッチンで朝と夜は自炊をして過ごした1週間。冷蔵庫の残り野菜を刻んでお鍋にぶち込んでラタトィユを作りました。これってお野菜が美味しいせいなのかしら。。。日本で作るそれとは比べものにならない美味しさ!野菜がしっかり野菜の味がするとでも言いましょうか。。。帰国しても同じものは作れまい。

そして滞在中、毎日感動したのはバゲットの香ばしさ!カッフェー同様、石を投げればパン屋さんがあるパリ。アパルトマンから徒歩数分の場所にある「boulangerie Martin」というパン屋さんには本当にお世話になりました。

毎朝、やたらと元気な日本人のおばちゃんが、

「Une demi-baguette,s'il vous plait.(バゲットを半分こくださいな)」

と、下手くそなフランス語で買いにきても、嫌な顔ひとつせずに切って売ってくれた。1人なので、食べきりサイズが欲しかったのです。

旅先だけではないけれど、おいしい食べ物は力をくれる。ひとくちの力ってすごい。
おいしい記憶はいつだってわたしを幸せにしてくれる。
さぁ、今日も明日も明後日も、「おいしい」と出会えますように。
次の旅に向けて。頑張れ、あたし。



旅の記憶。

年齢を重ねることで得た少しの自由。大人女性よ、 今こそ旅に出よう。 世界にひとりで向き合うことは決して孤独なんかじゃない。 「旅の記憶」は個人旅行の手配やノウハウを綴る、女性による女性のためのひとり旅応援サイトです。